税理士様が使用する会計ソフトサーバーのクラウド移行
増田

社内サーバーの老朽化が進み、クラウド移行を検討
今回、税理士事務所様から頂いたご相談は、
「会計システムのサーバーが老朽化し、リプレースのタイミングがきているので、これを機にサーバーをクラウドに移行できないか?」
というものでした。
詳細をお伺いすると、
- 事務所外から会計システムのデータを閲覧・操作したいがアクセスできない。
- 電子署名や電子申告する際に、事務所内のPCでICカードリーダーを使用しているが、事務所外からでも使用できるようにしたい
- サーバーが故障したときに、業務が長期間にわたり停止してしまうリスクがある
- サーバーを維持するために、空調や電源などの管理コストがかかる。
といったお悩みを抱えておられました。
調査および問題点の洗い出し
まずは税理士事務所様がご利用されている会計システムの調査を行いました。
このシステムは、かなり昔に作成されたもので、クラサバ型(クライアントとサーバー型)のシステムでした。
システムの作りにもよりますが、昨今のシステムであれば、サーバーをクラウド内に配置し、事務所内とクラウドとを常時VPN接続することで、
サーバーが事務所内にあるのと同じように、システムを利用することができるようになります。

しかし、今回の会計システムは上記の構成では遅延が発生して使えませんでした。
事務所内にサーバーがあるケースと、クラウドにサーバーがあるケースとでは、通常ネットワーク的な遅延は人が感知できないレベル(2/100秒程度)なのですが、
今回は会計システムのプログラムに原因があると思われます。
遅延問題の解決
そこで、今回はサーバーだけをクラウドに移行するのではなく、クライアントのアプリもクラウドに移行する計画を立てました。
クライアントをクラウドに移行することで、事務所内のPCからリモートデスクトップ経由でクラウドにあるクライアントOSを操作するわけですが、
PCに接続されているICカードリーダーをクラウドにあるクライアントのOSに認識させる必要があります。
この問題には、リモートデスクトップのリダイレクト機能を利用して、ICカードリーダーをリモートデスクトップのクライアントOSに認識させることで解決しました。

クラウド移行の結果
今回のクラウド移行では、下記のようにお悩みが改善されました。
✅1.事務所外から会計システムのデータを閲覧・操作したいがアクセスできない。
事務所外からクライアントVPNで事務所経由でクラウドのOSにアクセスすることで会計システムのデータを閲覧・操作することが可能となりました。
✅2.電子署名や電子申告する際に、事務所内のPCでICカードリーダーを使用しているが、事務所外からでも使用できるようにしたい
リモートデスクトップのリダイレクト機能を使用してどこからでも電子署名や電子申告ができるようになりました。
✅3.サーバーが故障したときに、業務が長期間にわたり停止してしまうリスクがある
日々のデータのバックアップはもちろんの事、サーバーをクラウドに移行することによりサーバーの耐性が増しました。
また、万一サーバーが動かなくなったときはすぐに代替えのサーバーをクラウド内に立ち上げる事ができるので、業務が長時間停止するリスクが軽減されました。
✅4.サーバーを維持するために、空調や電源などの管理コストがかかる。
サーバーをクラウドに移行することにより、空調や電源、耐震などを考慮する必要がなくなり、結果コスト削減となりました。
そして、上記に加えて下記のメリットがありました。
✅5.セキュリティーの強化
事務所内からサーバーがなくなった事により、データが流出するリスクが低減されました。
また、アプリの利用がリモートデスクトップ経由になることにより、PCにデータが一切保存されませんので、万一PCを紛失したとしてもデータ流出する事はありません。
✅6.コスト削減
インフラの構築や設定、アプリのインストールやデータ移行をすべて弊社で行うことにより、メーカーが実施する場合に比べて大幅にコストが削減されました。
まとめ
今回は、税理士事務所様からの
「会計システムのサーバーが老朽化し、リプレースのタイミングがきているので、これを機にサーバーをクラウドに移行できないか?」
というご相談でした。
事務所内のサーバーをクラウドに移行することで、様々なメリットを教授することができます。
今回は、『税理士様が使用する会計システム』でしたが、他のシステムでもクラウド移行はもちろん可能です。
詳細はお気軽にお問合せください。